事故の再現と救助の検討-2

宙づり状態の要救助者を、引き上げて救助する一般的な方法をやってみました。
消防のレスキュー隊と同様の救助方法です。
救助にかかる最少人数は3人でした。
これにより作業計画は、4人で1チームとする必要があることが分かりました。
しかしIRATAが得意とする下降モードの救助方法は、たった一人でもっと早い救助が可能です。
知りたい方は、ぜひIRATAの門をたたいてみてください。
目からうろこの知識と技術がいっぱいです♬

要救助者に取り付けた引き上げ用ロープをルーフローラーで保護します。

標準的ホーリングシステム、3:1のメカニカルアドバンテージで引き上げます。

要救助者が障害物に引っかからないよう介錯する人が必要になります。

要救助者が障害物に引っかからないよう介錯します。

要救助者が障害物に引っかからないよう介錯します。

要救助者が障害物に引っかからないよう介錯します。

要救助者を二人で引き上げます。

要救助者を二人で引き上げます。

引き上げ完了です♬ 救助に要した人員は3人でした。

第28回 IRATAトレーニングを終えて -2

IRATAは、レベル2資格者の技量がたいへん高いのが特徴です。
当然、トレーニングの内容は、濃いものになっています。
作業計画及び救助計画はスーパーバイザーであるレベル3が立てますが、そのレベル3の指揮のもと、一致団結して行うチームレスキューは、国内では類を見ない高度な技術です。
今回のチームレスキューは、近年増えつつある橋梁点検における事故を想定してみました。
じっさいにやってみると、いろいろなところにリスクがあることが分かり、事後研究会でリスク低減対策が話し合われました。
早速ハーネスを装着し、対策の良否を検討したのは言うまでもありません。

安全の確保のために必要なこと

「ロープ高所作業は危険だ!」と言われる所以は、宙吊りになった作業者の救助が困難で、消防のレスキュー隊による救助も得にくいからです。
安全作業のためには、作業チームによる有効な救助計画が必要です。
右の写真の作業者は、動けなくなってしまっても、リグフォーレスキューによって速やかに地面に降ろしてもらえるようになっていますが、それでも当該作業者には責任ある思慮深い行動が求められます。
まちがってもメンテナンスバーで身体を保持するようなことをしてはいけません。
エイドクライミングによるメンテナンスバーの水平移動や、ワークポジショニングなど、もってのほかです。
なぜなら、そこで動けなくなってしまったら、せっかく立ち上げたリグフォーレスキューが何の役にも立たなくなってしまうからです。
また当該作業者は、工具をメンテナンスバーに連結したのち、その工具に 連結していたハーネス側の落下防止ランヤードを、直ちに解除しなければなりません。
言うまでもなく、リグフォーレスキューのシステムを有効に保つ必要があるからです。
メンテナンスバーで宙吊りになった作業者の救助は容易ではなく、ピックオフのテクニックが必要で、むずかしいのでIRATAでもレベル1には教えていません。
肝心のメンテナンスバーですが、これはFRPに取付けられていることから十分な強度があるかどうか不明で、人ふたりを支えたり、墜落の衝撃に耐えられる保証はありません。
ですから、ピックオフを必要とするメンテナンスバー上での救助は、救助者をも危険にさらす可能性が高く、実際に行うのは困難です。

さて、安全作業の計画にはリスクアセスメントが欠かせません。
事故を先取りし、想定した事故に対して対策を立て、事故を未然に防ぐ必要があります。
たとえば熱中症で動けなくなったとか、指を負傷してロープを登り返せなくなったとか…
「人が想像できる事故は、まだ起きたことがなくても、いつか必ず発生する!」… これはマーフィーの法則ですが、リスクアセスメントの原点ともいえる哲学です。
現段階で、リグフォーレスキューに勝る有効な安全作業の手段は存在しないと思われます。

ご安全に