墜落制止用器具の使用上の安全の良否の判断

ことあるごとに述べてきましたが、墜落制止用器具で作業者の墜落を未然に防止することはできません。
墜落制止用器具は、 作業者の墜落が止まった時に発生する危険な衝撃荷重を低減するための保護具です。
墜落が止まった時に発生する衝撃荷重は、作業者がどんな墜落をしたかによって変わります。
ひどい衝撃を受ける場合もあれば、 ほとんど衝撃を受けない場合もあります。
墜落の深刻度をフォールファクターといいますが、これはFF-0(低).FF-1 (中).FF-2(高)の三段階に分け られます。
フォールファクターは、予測される墜落距離をランヤードの長さで割った商で表します。


いちばん深刻度が高いのはフォールファクター2 (FF-2) の墜落です。
国内法では2種墜落制止用器具の使用が義務付けられています。
リスクが高すぎるので、IRATAでは作業が禁止されています。

予測される墜落距離3m ÷ランヤードの長さ1.5m=2
したがってフォールファクターは2 (FF-2) です。
FF-2の墜落は最も衝撃荷重が大きいので、1種墜落制止用器具は使用できません。
下方に激突する障害物が有る場合は絶対に禁止です。

1種墜落制止用器具が使用できる上限は、フォールファクター1(FF-1 )です。
前述のフォールファクター2と比べると、墜落の深刻度は低くなりますが、手放しで安全といえるレベルではないでしょう。
墜落が止まっても、それなりに危険な衝撃荷重は発生します。
フォールファクター1を超える作業は、リスクが高いのでIRATAでは禁止です。

予測される墜落距離1.5m÷ランヤードの長さ1.5m=1
したがってフォールファクターは1 (FF-1) です。
FF-2の墜落よりも深刻度は低減しました。
それでも下方に激突する障害物が有る場合は絶対に禁止です。

いちばん深刻度が低いのが、フォールファクター0(FF-0)の墜落です。
墜落しても衝撃荷重がほとんど発生しないので安全です。
IRATAにおける作業の許容範囲は、フォールファクター0から1の間です。

予測される墜落距離0m÷ランヤードの長さ1.5m=0
したがってフォールファクターは0(FF-0) です。
ぶら下がるだけで衝撃荷重は発生しません。
しかし墜落制止用器具の使用において宙吊りは「墜落災害の発生」です。
救助計画の立たない作業は危険です。

常に、フォールファクターが0になる器具があります。
それは安全ブロックです。
ご安全に

これは自動下降器ですが、墜落制止機能は「安全ブロック」と同じです。
フックを胸部のD環に連結します。
墜落しても衝撃荷重が発生しないので安全です。
落ちるというより、ただぶら下がるだけ
何ごとも起こりません。

2月の産業用ロープアクセストレーニング

 2月22日、ビッグロック日吉店で定例のロープアクセス講習会を行いました。
9人のIRATAメンバーと、新人ひとりが参加し、良い汗を流しました。

お家芸のクロスホール:レベル2の課題

 4月から始まるIRATAトレーニングコースで、レベル2にチャレンジする6人にとっては、とても有意義な講習会になったと思います。
 とくにレベル2の女性陣には、角度約20°のディビエーションを通過するレスキューは、パワー的に困難なので、特別にレベル3テクニックを教えました。チカラを使うのもいいけど、アタマを使えということです。
ご安全に

カジュアリティから下降器具を取り上げてダブルアイディになります
ダブルアイディでディビエーションのカラビナに近づきます
このあたりで動けなくなったらハウスキーピングの失敗です。登り返してやり直し!

ダブルアイディに均等に荷重がかかったら成功です
ハイ、お疲れさまでした

職長教育&安全衛生責任者教育講習会

2月19日、20日の両日、(一社)東京GCAの会議室で、職長教育講習会が開催されました。
5人のRSTトレーナーで、労働安全衛生法で義務付けられた講習内容を割り振っての担当です。
私の担当は、当該教育の目玉であるリスクアセスメントで、4時間の講義を行いました。
職長教育の最後に、2時間追加して、安全衛生責任者教育も実施されました。
一粒で二度美味しい講習会です。
手前みそで恐縮ですが、当該講習会の講師のレベルは、とても高いと思います。
受講するなら「東京GCA」でしょう。